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当院からのお知らせ

🌟犬猫の抗体価検査について🌟

こんにちわ、ダリア動物病院です。

 

 

今日はお問い合わせが非常に多い、犬と猫の抗体価検査について

 

 

情報と、当院の見解を載せておきたいと思います。

 

 

長くなりますので結論から先に記載しておきますと、

 

 

当院では抗体価検査を実施しており、検査結果に基づいたワクチンプログラムも

 

 

提供しております。が、従来通りの1年ごとのワクチンプログラムも並行して

 

 

実施しております。どちらでいくかはご相談の上、決めさせていただいております。

 

 

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当院のワクチン接種への考え方は、以下のようなエビデンス(医学的根拠)に基づいています。

 

 

①「抗体価」とは

 

動物の体内にある、特定の病気に対する抵抗力を持ったペプチド(タンパク質群)の事を「抗体」と言います。

 

その抗体を作り出すために接種するのが「ワクチン」で、抗体の量が「抗体価」です。

 

十分な量の抗体がある(=抗体価が高い)場合にはワクチンの接種は原理上必要なく、

 

逆に抗体がない(=抗体価が低い)場合には接種が必要になります。

 

 

WSAVAワクチネーションガイドラインの改訂

WSAVA(世界小動物獣医師会)が約5年ごとに設定し改訂を繰り返している

 

ワクチンプログラムですが、最新のガイドラインでは「コアワクチンについては

 

抗体価検査を行い、必要があればワクチンを接種する事が推奨される」という

 

記載になっています(p11)。

 

その為、コアワクチンに含まれるウイルス感染症に対する抗体価検査が、

 

コアワクチン接種の有無を判断する基準にしても良い、と

 

専門家たちが判断していると考えて良いでしょう。

 

 

コアワクチンとは、ジステンパーウイルスパルボウイルスアデノウイルスⅠ型

 

の3つのウイルス感染症に対するワクチンのことです。

 

日本にはこの3つにのみ対応する3種のワクチンはありませんので、最小単位数の

 

ワクチンは5種ワクチンになります。

 

 

③抗体価検査が意味のない感染症がある

 

これもWSAVAワクチネーションガイドラインに記載がありますが、抗体価検査の

 

 結果が全く意味をなさないウイルス感染症が沢山あります

 

それらに対するワクチンはノンコアワクチンと呼ばれています。

 

アデノウイルス2型コロナウイルスパラインフルエンザウイルスなどが該当しますが、

 

 

いわゆる「5種」や「6種」ワクチンで予防するべき疾患については抗体価検査に

 

基づいた「過不足のない」ノンコアワクチン接種は現状不可能です。

 

 

そのため、抗体価検査では

 

 

コアワクチンについては接種の必要性を判断出来る

ノンコアワクチンについては必要性が判断出来ない

 

 

という事になります。

 

 

④コアワクチンだけ・ノンコアワクチンだけのワクチンが無い

 

前述の通り、コアワクチンは必要に応じて接種すればよいのですが、

 

ノンコアワクチンはどのくらい間をあけて良いのか分かりません。

 

そのため、理想の流れで言えば

 

★コアワクチンは抗体価検査に基づき接種する

★ノンコアワクチンは1年ごとに接種する

 

が最も安全で最も理にかなった接種の仕方ですが、いま現在コアのみ・ノンコアのみのワクチンは存在しません。

 

そのため、最も理にかなった接種は実行できません。

 

 

⑤結論

以上から、ワクチン接種には以下の2つのパターンがあります。

 

 

1)抗体価検査に基づき接種するパターン

コアワクチンについては必要十分です。

ノンコアワクチンについては予防が不明瞭で、接種間隔が広くなれば広くなるほど

感染・発症リスクがあります。

何%の発症リスクがあるかは個体差があまりにも大きく、数字で表すことは

出来ません。

 

 

2)抗体価検査を無視して(行わず)、1年ごとに接種するパターン

コアワクチンについては十分ですが、過剰に接種している可能性があります。

ノンコアワクチンについての予防は必要十分です。

ワクチンの効果は最大限で、感染・発症リスクは極めて低いか、ありません。

1)のパターンよりもワクチン接種機会は増えるので、ワクチンに伴う有害事象

(ワクチンアレルギーや免疫介在性疾患の発症など)のリスクは高くなります。

 

どちらが正しいということはなく、どちらにもリスクがあります。

 

ただし、例えば高齢でワクチンの負担が気になる場合はどちらかといえば1)が良いでしょうし、

 

 

若くて健康でアグレッシブに外を駆け回りたい子に対しては2)の方が良いでしょう。

 

そういった意味で、抗体価に基づいた接種方法と、従来どおりの接種方法どちらも並行して行う必要があると判断しております。

 

 

また、過去にワクチンアレルギーが起きたことがある子、免疫抑制療法を受けている子、に関しては「ワクチン接種の害」が格段に大きくなるため、原則1)を選択するのが良いでしょう。

 

 

⑥付記

 

2018年冬にWSAVAにおいて、「ラボ(研究施設)で測定しているのは体外に取り出した

物質のみのデータであり、それが生体内での防御力に直結していると判断していいかどうかは議

 

論の余地がある」といった内容の提唱がなされています。

 

 

これは、免疫力はその子その子の体調にも影響されるからです。

 

 

そのため、抗体価検査は「100%」を保証するものではなく、また十分な検証がなされているとは言い難いため、

 

 

当院としてはあくまでも「選択肢の1つ」という立場で提示をしている点をご容赦願います。

 

 

⑦費用について

 

犬5種混合ワクチン 5500円

犬6種混合ワクチン 5500円

犬9種混合ワクチン 7000円

猫3種混合ワクチン 4000円

猫5種混合ワクチン 6000円

 

犬ワクチン抗体価検査セット 7500円 (血液検査:所要日数1週間程度)

猫ワクチン抗体価検査セット 7500円 (血液検査:所要日数1週間程度)

 

 

※いずれも税抜価格

※診察料500円が別途かかります

 

 

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大変長くなってしまいましたが、日本の獣医療界でも今後議論が深まり、

 

すべての動物たちが安心して予防に取り組むことが出来るようになる事を願いつつ、

 

私達も最新の知識の会得に精進したいと考えています。

 

ワクチン接種は話の内容が複雑かつ高度な内容となるため、ご相談を希望される方は

 

当院院長までご連絡いただければ幸いです。

 

 

どうぞよろしくお願い致します。

 

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