🌟春の健診キャンペーン終了のお知らせ🌟
こんにちわ、ダリア動物病院です。
3月より実施していた春の健診キャンペーンが5月末で終了致しました。
多くのご家族の方にご利用いただき、ありがとうございました。
また来年の春も同時期に健診キャンペーンを行う予定でおり、秋〜冬にかけても同じような
形で健康診断を応援するキャンペーンを企画しております。
ヒトのような皆保険制度が無く、何かと費用のかかってしまう動物病院ですので、
こういった機会をうまく利用していただき、大切なご家族の健康維持に役立たせていただければ
幸いに存じます。
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ここからは少しデータ的なお話になります。
当院の患者様の約30%強の方に検査をご利用いただき、そのうちおよそ67%ほどの
方に異常値が認められました。ただし、緊張や興奮での血液濃縮や、少しご飯を食べてしまった
事によるコレステロールの上昇などの軽微な異常値も含まれておりました。
軽微な異常を除いた場合、全体の約15%に追加検査や治療が必要な異常があると考えられました。
非常に大雑把な計算ですが、当院の患者様全体で考えると約4.5%の方に治療が必要な異常が
見つかったという事になります。
良く健診の時に、「統計的に9割以上大丈夫だけど何かあったら良くないので」という言葉を
逸話的に遣う事がありますが、まさにその通りの確率だった事に驚きを隠せませんでした。
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今回の統計では、若齢〜超高齢まで様々な年齢層が入り混じったものとなっておりますが、
不思議な事に、若齢だから追加検査が必要ない事が多かったかというと、そうでもありませんでした。
やや高齢期の方が検査に「引っかかる」率は高かったものの、若齢の子でも検査をする意義が
あるということを再認識させられました。
ちなみに検査結果から考えられた疾患の種類別順位は、以下のようになっております。
若齢犬 1位:肝臓疾患 2位:腎臓疾患 3位:該当無し
高齢犬 1位:腎臓疾患 2位:ホルモン疾患 3位:肝臓疾患
若齢猫 1位:肝臓疾患 2位以下:該当無し
高齢猫 1位:腎臓疾患 2位:ホルモン疾患 3位:該当無し
やはり、”肝腎な”といった所でしょうか。肝臓や腎臓が上位を占めておりました。
特に若齢犬の肝臓の数値は健康的な子でも高い事が割と多くあり、恐らく小型化や
ブリーディングの方法(やや近親より)によって遺伝的な肝奇形(門脈体循環シャント、
微小血管異形成など)や食餌による負荷(グルテンや高脂肪など)が増えてきている事が
理由として考えられました。
また、高齢犬のクッシング症候群や甲状腺機能低下症、あるいは高齢猫の甲状腺機能亢進症は
検査で認められやすい傾向がありました。
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健康診断では、「何も問題がありませんでした」という結果が出る事が最も良い事であり、
今回のような血液検査での健康診断で全てがわかるという事でもありませんが、
何かしら見えてきてしまう事もありますし、肝臓や腎臓、ホルモン疾患といった多くの内科疾患は
発見が遅くなれば遅くなるほど予後が悪くなります。
また、健康診断時の身体検査で腫瘍(がん)や心臓の病気(僧帽弁閉鎖不全症などの心雑音や
不整脈を伴う疾患)、筋・骨格系疾患や皮膚病など様々な疾患に気付く事が出来るかもしれません。
ヒト医療でも同様の事が言われますが、やはり動物たちも「病気は早期発見」です。
血液検査のキャンペーンは終了しましたが、なにか気になる事や心配な症状がある場合には
気軽に病院までお越し下さいね。